日産・自動車大学校は、22025年2月7日に開幕したカスタムカーショー「大阪オートメッセ2025」で、カスタムカー「NEO SKYLINE」を披露しました。
■スカイラインに敬意 マニアもびっくりの「小ネタ」も存在
日産グループで自動車整備専門学校の日産・自動車大学校は、2025年2月7日から9日まで開催されたカスタムカーショー「大阪オートメッセ2025」で、カスタムカー「NEO SKYLINE(ネオスカイライン)」を展示しました。
1月に開催の「東京オートサロン2025」で初公開されたカスタムカーですが、どのようなクルマなのでしょうか。
日産・自動車大学校では毎年、車体系課程の学生が授業の集大成としてカスタムカーを製作し、東京オートサロンで披露しています。
今回披露されたネオスカイラインも、日産京都自動車大学校(以下、京都校)の自動車整備・カスタマイズ科 4年生が6ヶ月の期間で製作しました。
ベース車は日産の2ドアクーペ「スカイラインクーペ」(11代目・V35型)。これをベースに「現代のケンメリ」というコンセプトのもと。「新たにケンメリの魂を宿したクルマを造りたい」という学生の思いで製作したといいます。
“ケンメリ”とは1972年に発売された4代目スカイライン(C110型)の愛称。「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーで若い男女のデートを描いた広告が大ヒットし、以後ケンメリという愛称が定着。50年経った現在も、根強い人気を誇ります。
車名の「NEO」は、30代~50代のそれぞれの年代に向けた学生たちの思いが込められ、“N”は「懐かしさ(Nostalgia)」、“E”は「夢中(Enthrall)」、“O”は「斬新さと独創性(Originality)」。それぞれの頭文字を組み合わせ、NEO SKYLINEとしました。
担当した学生は東京オートサロン会場で以下のように説明しています。
「ケンメリをオマージュしましたが、本物のケンメリのパーツを使ってしまうと、“次世代感”がなくなってしまうので、それをどうにか別のパーツで代用したりしました」
フロントフェイスは、ボンネットやフェンダーなどのインナー(内部)パネルはベースのV35型スカイラインクーペのものをそのまま使い、アウターパネルのみを自作。
ヘッドライトはバイク用の丸目2灯LEDを流用し、現代風にアレンジ。ライト周りのベゼルは学生が自らCADと3Dプリンターを用いて製作するという、非常に高度な技術で再現しました。
ボディサイドの“サーフィンライン”は、V35型スカイラインのインナーパネルを活かして新しく描いているため、ラインの盛り上がりや角度などの左右差を出さないようにすることが苦労ポイントだったといいます。
ケンメリの特徴であるリアは、大型トラック用に市販されているカスタムLEDテールランプを採用して再現しました。ケンメリらしい丸目を現代流に解釈し、懐かしさを持ちつつ新しいデザインになっています。
このほか、外装の各部の意匠は歴代のスカイラインをモチーフにしており、スカイラインに対する敬意も表しているといいます。
例えば、クオーターの「Skyline」「GT」バッジは、「Skyline」はケンメリのもの、「GT」は現行V37型の特別仕様車「NISMO」で採用された赤バッジをブルーに塗装して装着。
さらに、インテリアやパンフレットの「NEO」の文字は、10代目・R34型に搭載された高性能・環境配慮型の新ユニット「NEOストレート6」から流用。
それらのアクセントカラーも6代目・DR30型の高性能モデル専用エンジンヘッドカバーのカラーをあしらうなど、マニアも注目のワンポイントを取り入れています。
ボディカラーは、学生が考えたオリジナルカラー「トモアキブルー」を採用。「トモアキ」の由来は色を考えた学生の名前から取られました。
このカラーはケンメリのカタログカラー「ブライトブルーメタリック」をベースにパールを加え、懐かしさの中にも新しさを表現しています。
内装はブラックを基調にブルーのアクセントをあしらったレザー素材を用い、ターゲットの40・50代にマッチする、高級感と落ち着きを与えています。
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大阪オートメッセ出展にあたっては、協賛企業であるロックペイントが京都校を訪問し、学生に直接塗装の磨きを指導。ボディの状態がさらに良好になって展示されています。
東京オートサロン2025でもひときわ注目を浴びたZリーリアということもあり、大阪オートメッセ会場でも多くの人でにぎわいをみせていました。