トヨタ「ハイエース200系」の誕生20周年を記念した特別仕様車「スーパーGL"DARK PRIME S”」が新設定されました。その一方でかねてからハイエースは受注停止などで買えない状態が続いていました。現状はどうなっているのでしょうか。
■ハイエース20周年記念車は出たけど…なかなか買えない状況が続いているという
トヨタは2025年2月7日に「ハイエース200系」の誕生20周年を記念した特別仕様車「スーパーGL”DARK PRIME S”」をバンに新設定しました。
この20周年記念車では、外装にクリアスモーク加飾を施したヘッドランプや、エンブレムをはじめ専用のメッキ加飾パーツを採用。
さらにディーゼルエンジンを高出力化し、サスペンションには専用のショックアブソーバーを採用するなどの改良が加えられています。
そんな20年となったハイエース200系ですが、昨今様々なユーザーがその動向を気にしています。
最近では、「もうすぐフルモデルチェンジする」という噂も目立っていますが、現状はどうなっているのでしょうか。
プロユースはもちろんのこと、一般ユーザーからも高い評価を得ているのがトヨタ「ハイエース」シリーズです。
ハイエースは、バン、ワゴンだけでなく、様々なバリエーションを揃えているのが特徴のモデルですが、特に4ナンバーのナローボディが人気。
ドレスアップベースやキャンピングカーのバンコンバージョンモデルのベースとしてなど、様々なカテゴリーで高い需要を誇っています。
しかし昨今、ユーザーがハイエースを買いたくても注文が難しいという状態が続いています。
その発端となったのは、2024年1月におこった豊田自動織機のエンジン不正問題。
これにより、同社が製造したエンジンを搭載する7車種が出荷と受注が停止となり、その中に人気モデルであるハイエースも含まれました。
同年3月からは出荷が再開されましたが、受注は停止のまま。
2024年11月に施行された新保安基準に適合したモデルを秋から出荷する予定でしたが、それも見送られていました。
ですが、2025年1月下旬に生産のメドがたったという理由から、トヨタは1年ぶりに受注を再開。各ディーラーに注文が殺到しました。
ところが、2025年分の予定生産台数に対して注文数の方が多かったことから、1月内には再び受注停止状態に。
現場の販売店はユーザーの要望に十分に応えられないままの状態で、メーカーに対しての不満の声が出始めているとのことです。
こうした状況について、首都圏のトヨタ系販売店スタッフは次のように話しています。
「受注再開された2025年モデルは、後突の保安基準改正に対応した変更が行われています。
主には、リアゲートの構造・部材変更や燃料タンクの位置の変更などが行われていると聞きます。
しかし2025年モデルのメーカーからの割当は、従来から比べると驚くほど少ないのです。
お客様には1年待っていただいたのに、その予約台数分もフォローできるかどうかギリギリ。さらに業販分も加えると、完全にパンク状態です」
ハイエースは2月1日より、トヨタ車体いなべ工場で生産が再開されていますが、2025年秋頃にはまた生産が休止する見通しだと言います。
これは2026年春に施行される予定の新保安基準に対応するためで、再び生産ラインの準備、調整が必要なためのようです。
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そうした中で「ハイエースは2025年にニューモデルが登場する」という噂がネット上に流れています。
しかし前述のように既存の200系に対して法規対応が行われることや、すでに「2025年中の新型投入はない」という旨が販売店には伝わっているようです。
そうしたなかで埼玉県内にあるハイエース専門店のスタッフは次のように話しています。
「トヨタディーラーに行っても、もう欲しいクルマが買えないから…というお客様が増えてきており、我々も困り切っています。
ハイエースを買いに来ているお客様に、すぐに注文できるRAV4を勧めるわけにはいかないですから。
生産ラインなどの都合で台数が限られるのは分かりますが…。本当に販売する側としては手痛いですね」