パレスチナ自治区ガザで10月から続くイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が全域に拡大し、避難民が集中する避難所では、感染症が急増し劣悪な生活環境に拍車をかけている。支援活動を担う国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)では物資が不足。清田明宏保健局長は27日までに共同通信の取材に応じ、「UNRWAはガザの生命線。活動が止まるとガザの命が止まると考えてほしい」と日本からの支援を訴える。
UNRWAによると、10月7日以降、ガザの人口の85%を超える190万人が住む場所を追われ、避難民となっているとみられる。
イスラエル軍は12月以降、南部での攻勢を強化。北部から避難した人に加え空爆を逃れようと多くの人が集まり、中部や南部の避難所は過密状態になっている。建物に入りきらず、屋外で生活する人も。トイレは約500人に一つしかなく、感染症が流行しているという。
特に多いのが呼吸器の感染症や下痢、皮膚の疾患だ。長引く戦闘のストレスによる精神疾患も多く、精神安定剤や抗うつ剤はほぼ枯渇しているという。