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「ユーロの父」ドロール氏死去 仏政治家

共同通信 2023年12月28日 6時33分

 【パリ共同】1985~95年に欧州共同体(EC)と欧州連合(EU)の欧州委員長を務め、欧州単一通貨ユーロの導入に道筋を付け「ユーロの父」とも呼ばれたフランスの政治家、ジャック・ドロール氏が27日、パリの自宅で死去した。98歳だった。フランスのメディアが伝えた。

 25年パリ生まれ。フランス銀行(中央銀行)勤務を経て、ドゴール元将軍派のシャバンデルマス首相の官房で社会問題を担当した後、74年に社会党に入党。81年ミッテラン大統領の下で財務・経済相に就任、85年1月に欧州委員長に転出した。

 欧州の将来に対して広がっていた悲観論を打破するため、域内市場統合の完成を図る「単一欧州議定書」を策定し、87年に発効を達成。89年には単一通貨導入を含む3段階で経済通貨同盟を実現するとした「ドロール報告」をまとめた。

 93年1月にモノ、サービス、資本、人の移動を自由化する単一市場が発足。同11月には各国の協力分野を拡大することを定めた欧州連合条約(マーストリヒト条約)が発効し、ECはEUに改組した。

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