26日、第96回選抜高校野球大会の選考委員会で、能登半島地震で甚大な被害を受けた日本航空石川が選出された。石川県輪島市の校舎ではなく、部員を受け入れている山梨の地で吉報を聞いた。
甲斐市の系列校、日本航空で校名が呼ばれ、選手からは涙があふれた。宝田一慧主将は「全力プレーや元気のあるプレーで、少しでも気持ちが伝わればいいと思う」と被災地へ思いを寄せた。
中村隆監督は10歳のころ阪神大震災を経験した。自宅の一部は倒壊。神戸のビルが倒れた光景は、能登の現状と重なる。阪神大震災後には、プロ野球オリックスの優勝で勇気をもらったという。「僕らが頑張ることで、今よりも少しでもプラスになる方がいるならば、全力で頑張らないといけない」と語った。
輪島市の祖母宅で被災した福森誠也選手は、下敷きになった祖母を救出し、おぶって高台に避難した。野球をする気にはなれなかったが、仲間や家族に背中を押され、山梨行きを決心。避難所暮らしが続く祖母に「いい報告ができるのでうれしい」と目を赤くした。