【ワシントン、ベイルート共同】米中央軍は2日、ヨルダンの米軍施設で米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復としてイラクとシリアで攻撃を行った。無人機攻撃は親イラン武装勢力の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が実行したとし、イラン革命防衛隊で対外工作を担う「コッズ部隊」や親イラン民兵組織を狙い、七つの施設で85以上の標的を空爆。バイデン大統領は声明で報復は「われわれが選ぶ時間と場所で続く」と予告した。
中央軍によると、125発以上の精密誘導弾を使い、司令や情報収集の拠点、補給施設、無人機の保管庫などを攻撃した。米本土から飛来したB1B戦略爆撃機も参加した。イラク首相府やシリア人権監視団によると計45人が死亡。親イラン武装勢力がさらに反撃する恐れもあり、中東の緊張が一層高まりそうだ。
イラン外務省報道官は3日の声明で、米軍の報復を「地域の緊張と不安定さを増すだけだ」と非難。シリア、イラク両軍もそれぞれ批判した。