パリ五輪出場を決めたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が次の目標へ向かう。アジア予選を突破した北朝鮮戦から一夜明けた29日、司令塔の長谷川は離日前の羽田空港で「金メダルを目指すのが全員の共通認識」と語った。頂点へ近づくには、複数の布陣を使い分ける能力がチームに求められる。
8強入りした昨夏の女子W杯は、守備時に5バックになる3―4―3で戦った。敗れたスウェーデンとの準々決勝を、熊谷は「研究されていた」と振り返る。
W杯後にトライした4―3―3はバランスの取れた配置で前線からのプレスがかけやすく、パスコースの確保も容易とされる。ただ、連動性を欠くと選手同士に距離が生まれて攻守に狂いが生じる。北朝鮮との第1戦では弱点ばかりが目につき、劣勢に立たされた。
3―4―3に回帰した第2戦は安定した守備と小気味いい連係が戻ったが、それは未熟な4―3―3の裏返しとも言える。「どちらも使えれば、すごく大きい」と熊谷は言う。それぞれの完成度を高め、フランスへと乗り込みたい。