大相撲の元幕内北青鵬の暴力問題に揺れる宮城野部屋の力士たちは、10日初日の春場所(エディオンアリーナ大阪)で戸惑いを抱えながら闘っている。宮城野親方(元横綱白鵬)は師匠を外れ、部屋は4月以降に当面閉鎖される方向。騒動の余波は収まらず、所属力士たちは胸中を吐露した。
一連の影響を受け、場所後の引退を決意した力士もいる。「部屋は暗い状態」「平常心を保つのに苦労」といった声が漏れてくる。場所前から体の治療などを除く不必要な外出は禁止。重苦しい雰囲気が漂った。
力士は気持ちを奮い立たせ、土俵に上がった。2場所ぶりに関取復帰の十両伯桜鵬は部屋頭となった。20歳のホープは「異例の場所ではあるが、自分のやることは相撲」と動揺せず、宮城野親方へ「結果で恩返しをしたい」と語った。
先行き不透明な状況で幕下以下の力士には困惑が広がる。幕下の大谷は「いろんなことがあって、みんなモチベーションが落ちていた」と話す。普段と違う緊張感に「頑張って、いい方向へ向かいたい」と言い切った。