大相撲春場所千秋楽で尊富士が新入幕優勝を果たした24日、出身地の青森県五所川原市ではパブリックビューイング(PV)に集まった人々が大歓声を上げて110年ぶりの快挙を祝福した。前日に負傷した右足の状態が懸念された中での勝利に、観戦に駆けつけた尊富士の祖父工藤弘美さんと祖母洋子さんも「すごい。立派だった」と涙ながらに喜んだ。
五所川原市役所には市民ら約160人が集まり、手拭いや垂れ幕などの応援グッズを持ちながら祈るように闘いを見つめた。尊富士が優勢になるにつれ徐々に歓声が大きくなり、豪ノ山を土俵の外に押し倒すと万雷の拍手と万歳三唱が湧き起こった。その後もリプレー映像がスクリーンに映るたび、何度も祝福と感激の声が上がった。
小学5年から中学卒業まで尊富士に相撲を指導していた越後谷清彦さん(61)は青森県つがる市の公民館で取組を見守り、優勝が決まった瞬間立ち上がって大喜び。目に涙を浮かべながら、「ゆっくり休んでから次の場所に備えてほしい。みんなに愛される関取になってほしい」とたたえた。