中国でライドシェアの利用者が5億人を突破した。配車サービス企業が事業を展開してから10年余りが経過。今月にようやく部分解禁された日本のはるか先をいっており、国民の足として定着している。若者の失業率が高まる中、雇用の一時的な受け皿となり、社会の不安定化を防ぐ思わぬ効果も指摘される。
配車アプリに出発地と目的地を入力すると、手頃な価格の乗り合いタクシーから高級車まで幅広い選択肢が提示される。懐事情に応じて選ぶと車両の位置と到着時間が表示される。少し高めの車両は清潔でミネラルウオーターのサービスも。運賃はキャッシュレス決済。運転手との会話は基本的に不要で、トラブルやストレスは少ない。
ライドシェアは中国で「網約車(ネット予約車)」と呼ばれる。2010年代前半に新興企業だった滴滴出行(ディディ)などがサービスを始め、利便性の高さから急速に普及。政府は安全面や運転手の権利保護などに関する規制策や法律を事後的に整備し事業の発展を容認した。