【北京、台北共同】中国の習近平国家主席と台湾の馬英九前総統は10日午後、北京の人民大会堂で会談した。習氏は「海峡両岸(中台)は不可分」だと強調。台湾独立に反対する馬氏を「高く評価する」と述べた。中台のメディアが報じた。習氏は対中融和路線を取る台湾最大野党、国民党の馬氏を厚遇することで、独立派と見なす与党民主進歩党(民進党)をけん制した。両氏の会談は約8年半ぶり。
台湾では5月に民進党所属の頼清徳副総統が新総統に就任する。習氏は会談で頼氏を念頭に「台湾独立と外部勢力の干渉に断固として反対しなければならない」と述べた。平和統一も呼びかけた。
馬氏は「平和で繁栄する両岸でなければ、中華民族の輝かしい未来はない」と発言。習氏が好む「中華民族」という言葉を使い、関係安定化の重要性を訴えた。「両岸の間で戦争が起これば、いずれも耐えきれない」と語った。
習氏は「いかなる勢力もわれわれ(中台)を引き離すことはできない」と話し、10日の首脳会談で連携を深める日米などに対し、台湾問題への介入を許さない姿勢を誇示した。