【北京共同】北朝鮮の体制を支える指導理念「主体思想」に賛同する思想研究者として、4月中旬に国際討論会のため訪朝した英国の活動家ダーモット・ハドソン氏(62)が22日、共同通信の取材に応じた。首都平壌で滞在中に会った全ての人が、韓国との平和統一を放棄する政策転換を「支持していた」と主張した。
金正恩朝鮮労働党総書記は今年に入り、故金日成主席と故金正日総書記が掲げてきた韓国との同じ民族による平和統一路線の放棄を表明。歴史的な政策変更に対し、北朝鮮内部で動揺が起きていないか注目されている。
ただ海外からの訪問者に接する人々に対し、北朝鮮当局が想定問答などの対応を事前に決めていた可能性もある。
ハドソン氏によると、訪朝は新型コロナウイルス流行前の2019年12月以来で今回が19回目。主体思想の国際討論会に同席した党関係者や宿泊先の高麗ホテルの従業員ら多数の人と話す機会があったとしている。
滞在中、最近完成した和盛地区のニュータウンや江東地区の大規模な野菜温室農場も視察。農場では約1800人が働いていると説明を受けたという。