【北京共同】中国で5月1日、国家機密の管理を徹底するため改正した国家秘密保護法が施行された。全国人民代表大会(全人代=国会)では4月から国防教育法改正案の審議が開始。昨年7月の改正反スパイ法施行に続き、習近平指導部は国家統制強化に向けた法整備を加速させている。
今年は習国家主席が国家の安全保障を軍事や政治だけでなく、経済や科学技術などの分野でも幅広く捉える「総体国家安全観」を提唱して10年の節目。共産党は一党支配を維持するため、国家安全を守る体制をさらに固める構えだ。
国家秘密保護法は1988年に制定された。改正法は機密保護を「共産党が指導する」と強調し「総体国家安全観を堅持する」と明記した。
法改正で何が国家機密に当たるのかを担当部門が単独で決定することが可能になった。機密の海外流出を防止するため、機密に関わった職員が離職する際に一定期間出国を制限し、離職後も保秘義務を負うと定めた。軍事施設の秘密管理強化や国民への宣伝教育の推進も盛り込まれた。