【ロンドン共同】ロシアと欧州に接するバルト海上空で、ロシアによるとみられる航空機への電波妨害が相次ぎ、事故の懸念が高まっている。電波はロシア本土や、バルト海に面する飛び地カリーニングラード州が発信元とされ、英国の国防相が乗った専用機が妨害を受けたほか、北欧フィンランドとバルト3国のエストニアを結ぶ定期便の運休が決まった。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、エストニアのツアフクナ外相は「ロシアの敵対活動の一環と考えている。国民と安全を脅かすことは容認できない」として、同盟国と協議し対応する意向を示した。
カリーニングラード州にはバルト艦隊の基地などロシアの軍事施設が集中。高官の一人はFTに、ウクライナの無人機攻撃から防御する狙いがあるとの見方を示した。
航空機が電波妨害を受けると、衛星利用測位システム(GPS)が正常に作動しなくなり、飛行や発着陸に支障が出る。ロシアがウクライナに侵攻した2022年から増え、ここ数カ月で数万の民間機が影響を受けた。