【ニューヨーク共同】トランプ前米大統領が起訴された不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が中盤に入った。検察はトランプ氏が2016年大統領選前の醜聞もみ消しを主導したとのシナリオを描く。口止め料支払いの実行役とされるトランプ氏の元腹心マイケル・コーエン氏の証人尋問が焦点で、弁護側は同氏の信用性に疑義を唱えている。
公判は4月15日に始まり、検察と弁護側の冒頭陳述を終えて22日に証人尋問に入った。この間、11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ氏の支持率に大きな変化はなく、6月ごろに出る評決の影響に注目が集まる。
「全員がトランプ氏に報告していた」。最側近だったヒックス元大統領顧問は5月3日、トランプ氏が一族企業で詳細まで管理していた実態を証言した。コーエン氏がトランプ氏のために独断で不倫口止め料を支払った可能性を検察に問われると「他人に尽くすような性格じゃない」と否定した。
コーエン氏は口止め料支払いで選挙運動法違反の罪で服役。トランプ氏とたもとを分かち、口止めはトランプ氏の指示だと証言する見通しだ。