ロシアの侵攻によって国土の約3割に地雷や不発弾の危険があるウクライナが地雷除去作業を急いでいる。各国の支援で多くの地雷除去車両やトラックが現場に配備される中、地元の農機メーカーが独自に車両を開発。農業の早期再開や住民の安全な暮らしに向けて取り組んでいる。
ガラガラと大きな音を立て、ブルドーザーのような重機が野原をゆっくりと進む。操作するのはウクライナ非常事態庁の職員だ。
「われわれのチームには各国の資金提供で車両や備品が多く配備された」。ベラルーシ国境から約60キロのウクライナ北部チェルニヒウ州の野外で、同庁のミハイロ・イリエフさんが説明した。
車両はMV―10と呼ばれるクロアチア製で、対戦車地雷除去に使われる。1キロ以内なら手元のリモコンで操作でき、地雷が爆発してもけがをする恐れはない。
ウクライナ経済省は2月、国産の新型地雷除去車両を発表した。農機メーカーなどが農作業用トラクターの車台を改造し、地雷爆発の衝撃に耐えられるよう強化した。(チェルニヒウ共同)