【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は8日、同国でバーンズ米中央情報局(CIA)長官と会談し、イスラム組織ハマスが受け入れたパレスチナ自治区ガザ休戦案を拒否すると伝えた。イスラエルが拒む「戦闘終結」が明記され「全てのレッドラインを越えている」と強調した。地元メディアが報じた。ロイター通信によると、ハマスの政治部門は同日、これ以上譲歩するつもりはないと表明。休戦や人質を巡る間接交渉の行方は不透明さを増した。
ハマスの政治部門は声明で、イスラエルがガザ最南部にあるラファ検問所のガザ側を掌握したことを踏まえ「イスラエルは交渉に真剣ではなく、ラファ侵攻のための隠れみのにしようとしている」と非難した。
ネタニヤフ氏とバーンズ氏の会談にはイスラエルの対外特務機関モサドのバルネア長官やガラント国防相が同席。イスラエル側は、バイデン米政権によるイスラエルへの弾薬供与の一時停止が、間接交渉をさらに複雑にすると不満を示した。イスラエルにとって、米側の対応が不利に働くと懸念しているとみられる。