第2次大戦での対ドイツ戦勝79年を祝う軍事パレードが9日、ロシア・モスクワ中心部の「赤の広場」で行われた。7日に通算5期目に入ったプーチン大統領が演説し「戦略部隊は常に戦闘準備ができている」と述べ、核戦略部隊の存在を誇示。侵攻作戦を続けるウクライナや支援する欧米をけん制した。
プーチン氏は「世界規模の衝突を防ぐために手段を尽くすが、われわれを脅す者は許さない」と主張し、欧米を念頭に「いかなる国家や同盟の排他的な要求も拒否する」と強調した。プーチン政権は欧米の脅威から国を守ると国民の愛国心に訴え、侵攻を正当化してきた。
侵攻に参加するロシア兵を対ドイツ戦勝利に貢献したソ連兵になぞらえ「英雄」と称賛。「自己犠牲や無私の精神に敬意を表す」とたたえた。パレードには兵士ら9千人以上のほか、侵攻で多用する弾道ミサイル「イスカンデル」、多弾頭のICBM「ヤルス」など約70の兵器が登場した。侵攻後初めて軍用機の航空パレードが行われ、モスクワ市内の沿道などでは戦勝記念の旗が掲揚された。