【ワシントン共同】バイデン米政権は10日、パレスチナ自治区ガザの戦闘で、イスラエル軍が米国から供与された武器を国際人道法に違反して使用した疑いがあると指摘する報告書を議会に提出した。違反を証明するには十分な情報を持っていないとして最終的な判断は下さなかった。違反が認定されれば、武器供与が一時停止となる可能性もあった。
米政権はイスラエルと決定的に対立する事態を回避したが、民間人保護をさらに強く求める構えだ。バイデン大統領は8日、イスラエルがガザ最南部ラファに本格侵攻した場合「武器を供与しない」と警告していた。
報告書は「イスラエル軍が依存する米国製武器が、国際人道法の義務と相反して使用された事例があると判断するのが妥当だ」と指摘。一方イスラム組織ハマスが民間人を人間の盾として利用しているなどとして「戦闘の性質が決定的な調査結果に達することを困難にしている」と説明した。
戦闘開始後のガザ側死者は3万4千人を超え、人道支援従事者やジャーナリストも殺害された。