【サンクトペテルブルク共同】ロシアのプーチン大統領は7日、ウクライナでの戦況はロシアにとって核兵器の使用が必要な状況には至っていないとの認識を示した。ウクライナを軍事支援する北大西洋条約機構(NATO)諸国を巻き込んだ核戦争に発展しないことを望んでいるとも述べ、核使用に慎重な姿勢をみせた。
プーチン氏は5日の各国通信社代表との会見で、国家の存続が脅かされる場合には核使用の可能性があると主張していた。7日の発言には、核使用の可能性を限定することで欧米との緊張を緩和し、「核の脅し」との対ロ批判をかわす狙いがあるとみられる。
ロシア北西部サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラム全体会合でプーチン氏は、前線で核兵器を使用すれば進軍の速度が上がる可能性はあるとする一方、「前線にいるロシア兵の命と健康のほうが大切だ」と強調。軍事ドクトリンが核使用を容認している国家主権や領土の一体性維持が危ぶまれる状況にはないとの見方を示した。