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富山の老舗社長が発案、希少な「しけ絹」の布ナプキン 「絹の優しさ、気持ち良さを伝えたい」

共同通信 2024年7月6日 7時2分

 富山県南砺市で約150年続く絹織物の老舗「松井機業」が、希少な玉繭からできる「しけ絹」を使った布ナプキンを製作、4月から販売している。発案した6代目の社長松井紀子さん(39)は「デリケートな悩みを抱える女性に、絹の優しさや気持ち良さを伝えていきたい」と話す。(共同通信=吉永美咲)

 蚕は通常、1匹で一つの繭を作るが、ごくまれに2匹以上が一緒になって大きな繭を作ることがあり、玉繭と呼ばれる。取れる糸は通常より太く、点々と節があり、布にすると独特の風合いが生まれる。松井機業は1877年に創業。玉繭から紡いだ糸で織ったしけ絹と、和紙を貼り合わせたふすま用の紙などを主力商品としてきた。近年、より多くの人に絹の良さを伝えようと、インテリアや生活雑貨なども手がける。

 布ナプキンは松井さんの発案で商品化した。布ナプキンは慎重に手入れする必要があるが、洗って繰り返し使うことができ、紙ナプキンにはない肌触りの柔らかさや蒸れにくさから好む女性がいる。

 松井さんには、一般的な絹の布ナプキンを使い、生理不順や生理痛が改善した経験があった。しけ絹はポリエステルなどに比べ、吸収効果や吸湿性に優れるという特性もあるという。「女性だから作れる商品を」。肌に触れる部分にしけ絹を使い、布ナプキン製作を決めた。

 今春、松井さん自ら試作品を使い、テストを繰り返した。「身に着けた時、肌が気持ちいいと思えるものを作りたい」と松井さん。着け心地を重視し、ナプキンの大きさや布の端の処理を工夫し、裏地にはオーガニックコットンを使った。

 商品名は「しけ絹布ナプ」。薄手、厚手、大判の3種類がある。着用時のずれをさらに軽減した改良品「しけ絹ライナー[紐付]」も6月下旬から販売している。1枚1980~3300円。同社オンラインストア「JOHANAS(ヨハナス)」などで購入できる。

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