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思い出の制服、ぬいぐるみに リメーク、母親層に人気

共同通信 2024年7月7日 8時2分

 毎朝子どもの着替えを手伝った園児服、青春時代を共に過ごした学生服―。愛知県岡崎市の半田加奈枝(はんだ・かなえ)さん(41)がオーナーのぬいぐるみ店「kanano☆(ハート(白))」が、手放せずにしまい込まれたままの制服を、注文に応じてぬいぐるみや小物入れにリメークするサービスが、30~40代の母親層を中心に人気を集めている。

 以前、縫製職人として半田さんが働いていたスーツ店では、大量の端切れが廃棄されていた。大好きなぬいぐるみに再利用できないかと思いを巡らせていた時、知人から制服のリメークを持ちかけられた。

 半田さんも「思い出まで一緒になくなってしまうようで」制服をなかなか処分できなかった経験がある。着られなくなった制服の多くが自宅に保管され続けていると知り「良質な生地で、思い出の詰まった服を日の当たらない場所に置くのはもったいない」と思い立ち、2022年、端切れや制服を再利用したぬいぐるみ店をスタートさせた。

 注文は全国からネットなどで受け付け、これまでに約40個の商品を販売。制服だけでなく、体操着や学生帽なども預かる。要望に合わせてぬいぐるみのほか、制服を縮小した「ミニチュア制服」や小物入れ、ヘアアクセサリーなどに加工。1着から複数の商品を作り出すことも多く「環境にも優しい」と話す。

 主な客層は30~40代の女性。子どもの幼稚園卒業のタイミングで園児服のミニチュア化を依頼した客は、細部まで丁寧に再現された仕上がりを見て思わず涙をこぼしたという。半田さんは「リメーク商品は、懐かしさを感じるお守りのような存在。商品を通じて、大切な思い出をいつでも身近に感じてほしい」と願っている。

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