予行演習で順調な仕上がりを見せた。東京五輪は決勝でバトンが渡らず、途中棄権に終わった陸上男子400メートルリレーの日本。雪辱を期すパリ五輪前、最初で最後の実戦となった20日のロンドンでの競技会を38秒07の1位で終え、土江寛裕ディレクターは「五輪に近い雰囲気で走れたことが大きかった。これで1度完成。個人種目に向けてやった上でリレーに臨みたい」と収穫を口にした。
複数の走順を想定する中、2走だけは柳田大輝(東洋大)に固定。1走の坂井隆一郎(大阪ガス)とのバトンパスはぎりぎりだったが、3走の桐生祥秀(日本生命)とはスムーズにつないだ。受け渡しの双方を担って長い直線を走る重要区間を任される柳田は「2走の難しさはあるが、どれだけ攻めて金メダルを取るためのバトンパスができるか」と自覚十分だ。
今大会は不在だったサニブラウン・ハキーム(東レ)との融合で、さらなる上積みも見込む。37秒60で銀メダルをつかんだリオデジャネイロ大会から8年。厚みが増した選手層を武器に、パリでの目標タイムは37秒40だ。