中央最低賃金審議会が示した目安額通りに最低賃金が改定されれば、全ての都道府県で時給900円以上になる。最終的な改定額は8月から本格化する都道府県単位の地方審議会を経て決まる。昨年度は中央最低賃金審議会が提示した目安額に上乗せをしたケースが24県に及び、今回も地方審議会の動向が注目される。
都道府県別で現行の最低額は岩手の893円。800円台はほかに青森、徳島、鹿児島、沖縄など11県ある。この12県は今回の目安額通り引き上げると、900円を超える。
昨年度の地方審議会では、佐賀で目安額から8円上乗せが決まった。最低賃金を時間額だけで示すようになった2002年度以降、8円の上乗せは過去最大だった。
山形、鳥取、島根は7円、青森、長崎、熊本、大分でも6円の上乗せが決まった。人手不足に伴う隣接県との人材獲得競争への危機感が押し上げ要因になったとみられる。
このほかの23都道府県は、国の目安と同額で決着した。