政府が近くまとめる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期試算で、2025年度に8千億円程度の黒字になるとの見通しを公表する方針であることが25日、分かった。物価高や好調な企業業績を背景とした税収増により、赤字を見込んだ1月の前回試算より収支が改善すると判断。政府が掲げる25年度の黒字目標の達成が視野に入る。29日の経済財政諮問会議で示す。
今回の試算では24年度の補正予算編成は織り込んでいない。政府は秋に経済対策をまとめる考えで、規模が膨らんだ場合は執行される25年度の収支の悪化につながり、黒字化の達成が難しくなる。
プライマリーバランスは、社会保障や公共事業などの政策経費を税収でどれだけ賄えているかを示す指標。これが赤字だと借金に依存している状態といえる。02年に目標を導入して以降、黒字化したことはなく、達成期限の延期を繰り返してきた。