日銀は31日、2日目の金融政策決定会合を開いた。3月のマイナス金利政策解除に続く利上げを実施するかどうか判断する。日銀内では賃金と物価がともに上昇し、2%の物価安定目標に近づいているとの見方が強まる一方、物価高で低迷する個人消費の先行きを懸念する声もある。
国債購入額を現在の月間6兆円規模から減らすための具体的な計画を決める。長期金利が債券市場でより自由に決まるように促す狙いだ。市場では、2年後に同3兆円規模に減らすとの予想が多い。
利上げする場合は、政策金利と位置づける無担保コール翌日物金利の誘導目標を0~0.1%程度から0.25%程度に引き上げるとみられる。利上げで歴史的な円安ドル高の流れが変わるかどうかも注目される。
利上げは変動型の住宅ローンの金利上昇につながる一方、預金金利が上がり、受け取れる利息は増える。日銀は利上げ幅が小さければ景気を冷やすリスクは低いとみている。
ただ、物価高を反映した1人当たり実質賃金はマイナスが2年以上続いており、政策委員には利上げに慎重な意見もある。