防衛省は2日、海上自衛隊の潜水手当不正受給を巡る4人の逮捕を木原稔防衛相に報告しなかった問題で、増田和夫事務次官を口頭による厳重注意とした。既に退職した三貝哲前人事教育局長は訓戒相当とした。特定秘密の不適切運用など一連の不祥事に伴う218人の大量処分に続く追加処分で、異例の対応となった。
木原氏は「文民統制の観点から非常に問題があった」との認識を示していたが、監督すべき立場の木原氏自身の追加処分は見送った。立憲民主党の泉健太代表は「より重い責任を取ってもらう必要がある」と批判した。
防衛省によると、増田氏は逮捕について7月3日に報告を受けていたが、木原氏への報告を促すなど三貝氏への指導監督を怠った。三貝氏は、逮捕時や懲戒処分時に木原氏へ報告せず、逮捕を非公表とした対応も不適切だったと結論付けた。
防衛省は昨年11月の逮捕時に加え、7月12日の218人の処分発表時にも逮捕者の存在を公表せず、18日に立民の会合で担当者が逮捕の事実を明らかにした。