原子力規制委員会は2日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)は原発の新規制基準に適合しないとして、審査不合格を示す「審査書」案の作成を事務局に指示した。原電の審査継続要望を退けた。2012年の規制委発足後初の不合格が確実となり、再稼働はできなくなった。秋にも不合格を正式決定する。
新基準は活断層の上に重要施設の設置を禁じている。7月26日の審査会合では、原子炉建屋から北約300メートルにある「K断層」が活断層で、建屋直下まで延びている可能性があると結論付けた。
規制委はこの日、原電の村松衛社長から意見聴取した。村松氏は敷地内で新たに試掘溝を掘る追加調査を1年以上かけて実施する計画を示し、審査継続を求めた。しかし山中伸介委員長は「具体性に乏しく、期間も不明確。多少データが加わっても、結論が変わる可能性は極めて乏しい」と退けた。
審査を担当した石渡明委員は「その調査をすれば確実に原電に肯定的な結果が出るか予想がつかない。調査をしばらく待ってみようとはならない」と述べた。