伐採や再造林が進まない森林の管理を、経営意欲のある林業の担い手に集約しやすくするため、政府が森林経営管理法の改正を検討していることが3日、分かった。登記簿上で所有者が不明の森林は3割超に上ることがネックとなり、市町村は所有者の探索に苦慮している。政府は負担軽減へ集約手続きの簡素化を軸に制度を見直す考えで、来年の通常国会に法案を提出する方針だ。
伐採が進まない森林にはスギやヒノキも多い。政府は花粉の少ない苗木への植え替えを推進しており、管理集約は花粉症の対策に一役買うと期待されている。森林の手入れは土砂崩れを防ぎ、災害対策にもつながる。
林野庁によると、森林は相続の際に移転登記されず所有者不明になる場合が多い。都市部に移住していて管理できないケースもある。国土交通省の調査では「林地」を所有する33%が土地を手放したいと回答した。
こうした状況を受け、森林経営管理法が2019年に施行された。