「みうみま」を追ってたどり着いた初の五輪。卓球女子シングルスで24歳の早田ひな(日本生命)は「ライバルとして尊敬できる2人がいてくれることは幸運。あの2人がいなかったら、ここまで来ることはできなかった」と、同学年の平野美宇(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)に感謝する。「黄金世代」と称される3人で切磋琢磨して培った力をぶつけ、銅メダルに輝いた。
負傷を抱えて臨んだ3位決定戦を制し「これからは誰に会っても『銅メダルおめでとう』と言ってもらえると思う。私ができる最大限の恩返しができた」と涙を拭った。
伊藤と平野は雲の上の存在だった。2人は中学生で世界ツアーに優勝して脚光を浴び、五輪にも先に出場した。伊藤は2016年リオデジャネイロ五輪女子団体で銅メダルを獲得。東京大会は伊藤が「金」「銀」「銅」を手にし、平野も女子団体で「銀」に輝いた。
早田は東京五輪で練習相手や球拾いをする補欠だった。しかし、これまで2人をねたむことは一切なかった。謙虚なサウスポーがパリで遅咲きの花を咲かせた。(共同)