【サンパウロ共同】ベネズエラ大統領選から4日で1週間。票数の操作など不正が疑われるまま、独裁化を進める反米左翼マドゥロ大統領が勝利を宣言した。しかし野党は当選を認めず、首都カラカスでは3日も大規模な抗議デモが行われた。透明性のある開票情報の公開を求める欧米や周辺国との関係は急速に悪化し、混乱が続くベネズエラは孤立を深めている。
政権の影響下にある選挙管理当局は7月29日、開票所や地域ごとの詳細な開票結果を示さずにマドゥロ氏の勝利を発表。野党側は不正の疑いがあるとして当選を認めず、独自に票を集計して野党候補ゴンサレス氏が勝利したと主張している。
マドゥロ氏の「勝利」に祝意を示したのは関係の深いロシアや中国、キューバなどにとどまる。一方、米国やペルー、アルゼンチンなど周辺国は次々にゴンサレス氏支持を表明し、マドゥロ政権は外交官の追放や断交措置で反発している。
日米欧の先進7カ国(G7)などは詳細な開票データの開示を求めた。選管は今月2日に中間集計を更新したが、詳細な情報は公開されなかった。