7月に東海道新幹線の一部区間で終日運転見合わせを引き起こした保守用車同士の衝突脱線事故で、JR東海は5日、追突した側の6両のうち、少なくとも3両のブレーキ力が、本来なら使用停止の水準にまで低下していたのが原因だと明らかにした。普段の点検時、メーカーの想定と異なる誤った方法でブレーキ力を確認していたため、不具合に気付かなかったという。
JR東海は、復旧に時間がかかり大都市圏を結ぶ交通の大動脈が寸断されたことを改めて陳謝。保守業務の安全管理不備が事態を招いたとして、マニュアル整備や作業員の教育など対策を進めるとしている。
JR東海によると、追突したのは砂利の運搬車両。事故時の損傷などにより、ブレーキ力低下を確認できたのは3両のみで、他3両も同じような状態だった可能性があるという。事故後、運用する他の同種車両を一斉点検した結果、24両中5両でブレーキ力が低下していた。