広島は6日、米軍の原爆投下から79年の「原爆の日」を迎える。広島市の平和記念公園で午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれる。松井一実市長は平和宣言で、世界情勢が混迷し国家間の疑心暗鬼が深まっていると指摘。核抑止力に依存する為政者に政策転換を促そうと呼びかける。
宣言では、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やパレスチナ情勢の悪化に言及。争いを生み出す不信感を消し去るため、市民社会が取り組むべき行動も提示する。
日本政府には各国が対話を重ね、信頼関係を築けるようリーダーシップの発揮を求める。来年3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となるよう要請する。
式典には109カ国と欧州連合(EU)代表が出席予定。7月の概要発表の時点では過去最多の115カ国が参加予定だったが微減した。
広島市はウクライナ侵攻を理由に、3年連続でロシアとベラルーシを招待しなかった一方、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルを招待し、二重基準だと批判を浴びた。