【ニューデリー共同】バングラデシュのメディアは6日、ハシナ首相辞任を受け近く樹立される暫定政権の首席顧問にノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏(84)が就く見通しだと報じた。悪化した治安の安定が焦点となる。英BBC放送(ベンガル語)によると、ハシナ氏が辞任に追い込まれた5日のデモの死者は少なくとも41人に上った。
ユヌス氏は過去に政界進出を目指し、ハシナ氏と対立したことがある。インドに国外逃亡したハシナ氏は今後、英国に向かうとみられている。
野党バングラデシュ民族主義党(BNP)や、デモを率いた関係者らは5日、暫定政権発足に向けて協議。BNPのリーダーであるジア前首相や、デモを率いた学生指導者らの釈放を決定し、与党アワミ連盟(AL)を除く各政党と学生団体が協力して事態の収拾を図ることを申し合わせた。
バングラデシュでは7月以降、公務員採用の優遇枠をなくすよう求める学生デモが激化。BNPの活動家らも加わり建物への放火など暴力的な反政府運動につながった。