【フェニックス共同】米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領は9日、副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事と共に激戦州の西部アリゾナ州で集会を開いた。メキシコと国境を接する同州で、有権者の関心が高い移民対策について「国境管理を強化するとともに移民の市民権取得に道筋を付ける改革を実現する」と誓った。
移民の取り締まりだけでなく、受け入れ体制の整備を訴えることで、アリゾナで有権者の約4分の1を占めるヒスパニック(中南米系)に秋波を送った。
バイデン民主党政権下で、米国に不法に越境する人たちが急増。共和党候補のトランプ前大統領は、政権で移民対策を担当してきたハリス氏が「無能」で有効な手だてを打ち出せず、不法移民の大量流入を招いたと批判している。
ハリス氏は、州都フェニックス近郊での集会で演説。人工妊娠中絶の権利擁護も訴え「女性の決断を信頼している」と述べた。アリゾナでは州最高裁が1864年に制定された中絶禁止法の有効性を今年4月に認めて物議を醸し、5月に禁止法を廃案にする州法が成立した。