沖縄県で米兵の性的暴行事件が相次いで発覚したことを受け、米軍基地の負担軽減を求める市民団体などは10日、抗議集会を同県宜野湾市の運動場で開いた。市民ら2千人以上(主催者発表)が参加。事件捜査の障壁と指摘される日米地位協定の抜本的改定や、基地の整理・縮小を日本政府に要求するアピール文を採択した。
参加者が「許すな!米兵の性暴力」と書かれたプラカードを掲げる中、登壇した玉城デニー知事は「決して諦めず、屈することなく進んでいこう」とあいさつ。2人の子どもを育てる与那城千恵美さん(51)は、これまでに起きた米軍機の墜落事故や性犯罪に触れ「安全であるはずの学校や公園も危険にさらされている。沖縄は異常な環境だ」と強調した。
2002年に米兵から性犯罪を受けた被害者で、東京都在住のオーストラリア人キャサリン・フィッシャーさんも「被害者は悪くない」と声を詰まらせた。
沖縄県では6月下旬、米兵による2件の性的暴行事件が地元メディアの報道で発覚。県警や外務省から県に連絡がなかったことも問題となった。