【ジュネーブ共同】世界から政財界のリーダーを集め地球規模の課題を話し合う「ダボス会議」の主催団体が、女性や黒人への嫌がらせ疑惑に揺れている。米紙が「多数の苦情申し立てに直面」と報道。会長は一線を退く意向で、足元の職場環境の悪化は「世界の状況改善」を掲げるダボス会議の信頼低下につながりかねない。
団体はスイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)。各国の男女平等度をまとめた「男女格差報告」で格差解消も提言している。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、現役や元職員ら80人以上に取材。6月末、WEFの創設者シュワブ会長が意に沿わない人事部長を解雇したり、妊娠を申し出た女性職員に腹を立て要職から外したりしたと伝えた。
女性職員がダボス会議で招待客をもてなすよう求められ、招待客や上司から性的嫌がらせを受けたケースなども詳報。黒人女性が同席する場で、白人の同僚が黒人差別を意味する言葉を公然と用いた例もあった。
WEFは声明で「記事は重大な誤りや根拠のない推測を含んでいる」と否定している。