【ハルビン共同】日中戦争中に関東軍防疫給水部(731部隊)の少年隊員だった清水英男さん(94)=長野県宮田村=が13日、79年ぶりに中国黒竜江省ハルビン市にある部隊の跡地を訪れた。清水さんは「謝罪と不戦平和の誓い」と記された石碑の前で手を合わせた後「申し訳ないことをした」と述べ、犠牲者を追悼した。
731部隊は細菌兵器の開発を進め、人体実験を実施したとされる。清水さんは731部隊に関する展示施設「罪証陳列館」の館長らに付き添われ、特設監獄や細菌実験室の跡地を見て回った。
本部棟の施設内では「ここに霊安室があった」と話した。「帰国後、どうなるか分からなかった」と、撤退当時の不安な心境を明かした。
石碑に到着すると、深くお辞儀をし黙とうをささげた。「私も大変な思いをした。多くの仲間も失った」と目を潤ませた。陳列館では部隊の活動を記録した資料や人体実験に使われたとされる器具を見学し「無残なことをしてしまった」と語った。