岸田文雄首相は14日、官邸で記者会見し、9月の自民党総裁選に立候補しないと表明した。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件について「私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたい」と責任を取る考えを示した。岸田内閣は2021年10月の発足から3年で退陣する。自民は首相の表明を受け、総裁選で後任を選出する。
首相は不出馬について「自民が変わると示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と明言。裏金事件に関し「所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることにちゅうちょはない」と強調した。
首相は再選出馬を模索してきたが、内閣支持率は20%台に低迷。首相の下では次期衆院選で苦戦は免れないとして、党内から交代を求める声が上がっていた。菅義偉前首相に続き、現職の首相が総裁選で不出馬に追い込まれる形となる。
総裁選を巡っては、石破茂元幹事長が出馬意向を事実上表明。河野太郎デジタル相も麻生太郎副総裁に立候補への意欲を伝達した。