野党は14日、岸田文雄首相が自民党総裁選不出馬を表明したことに対し「首相が約束した政治改革が一層不透明になった」（立憲民主党の泉健太代表）と批判した。新総裁の下で衆院解散・総選挙が早期に実施されるとの観測も相次いだ。
泉氏は記者団に、自民内で派閥裏金事件を受けた派閥解消が進んでいないとして「誰が総裁であれ自民の体質が変わるわけではない」と指摘。「党が危機になると首相を代え、過去を忘れてもらう手法に国民が引っかかってはいけない」と述べ、早期の衆院解散に警戒感を示した。
自民総裁選と同時期に行われる9月の立民代表選で、立民に政権担当能力があることを示すとも語った。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、先の通常国会で調査研究広報滞在費（旧文書通信交通滞在費）改革が先送りされたことを念頭に「公党間の約束を果たせず、党内をまとめきる力がなかったのは残念だ」とのコメントを発表した。
共産党の小池晃書記局長は記者会見で「自民全体が責任を取らなければいけない。自民の中での政権のたらい回しでは何も変わらない」と強調。