初盆を迎えた故人の霊を船に乗せ、西方浄土に送り出す長崎県の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地で行われた。長崎市では悪霊をはらうとされる爆竹の音が街中で鳴り響き、白い煙が立ちこめた。法被などを着た遺族らが、大小さまざまな精霊船を台車に載せたり担いだりして市内を練り歩いた。
精霊船は屋形船のような形で、10メートル近いものも登場した。それぞれの家庭や企業が遺影やちょうちんなどで思い思いに飾り付けた。
沿道は見物客でにぎわった。京都府の親戚と訪れた吉田武弘さん(70)=長崎県大村市=は「爆竹の音は騒々しいが、亡くなった人を送る船の行列には厳かさを感じる」と話した。