【北京、マニラ共同】中国海警局は19日、南シナ海のサビナ礁付近でフィリピン公船が「危険な方法で故意に海警局船に衝突させた」とする報道官談話を発表した。さらに、同礁近くのアユンギン礁付近の海域にフィリピン公船が不法侵入し、フィリピン軍拠点への補給活動を巡る両国の暫定合意に「違反し、中国の主権を深刻に侵害した」と表明した。両国間の緊張が再燃する恐れがある。
フィリピン政府は19日、南シナ海で補給任務のため航行していた沿岸警備隊の巡視船2隻が同日、中国海警局の船2隻の「違法で危険な操縦」により3回衝突されたと発表した。沿岸警備隊によると巡視船の側面に直径1.1メートルの穴が開いた。
アユンギン礁は、両国が領有権を主張。中国の王毅外相は7月、ラオスでフィリピンのマナロ外相と会談し、暫定合意の順守を確認していた。7月の暫定合意発表後、両国公船の衝突が明らかになるのは初めて。
談話によると、フィリピン公船は19日午前、南シナ海のサビナ礁に不法に入って阻まれた後、同礁付近の海域に侵入したとされる。