帝人が取り扱う水溶性食物繊維「イヌリン」をパンに配合し、給食で提供する取り組みを始めた。パン生地のふくらみを保つには一定量の塩分が必要だが、イヌリンを加えると程よい粘度をもたらし減塩できる。「献立作りの選択肢が広がる」と担当者は話す。収益化を狙う新事業と位置付けており普及を目指す。
帝人は炭素繊維やアラミド繊維といった高機能素材を主力とする。医薬品や在宅医療機器を展開するヘルスケア事業も売上高の約15%を占め、機能性食品素材にも参入している。
帝人が取り扱うイヌリンはキク科植物のチコリの根から抽出する。欧米ではパンや菓子、乳製品などに溶かして使うのが一般的だ。