日本新聞協会は20日、インターネット上の偽情報を巡り、総務省の有識者会議がまとめた対策案について「プラットフォーム事業者の責務をより強く打ち出すべきだ」とする意見書を提出した。健全な言論や情報流通に対する懸念が高まっているのは「事業者の自主的な対応が不十分なためだ」と強調し、真摯な対応を求めた。
総務省は20日まで対策案への意見を募集していた。今後、有識者会議が正式な提言を決める。
対策案は、新聞などに期待される役割としてファクトチェックの推進を挙げた。新聞協会はこの点に関し「ファクトチェックの定義について合意形成がなされたとは言えない」と指摘。「推進に責務を負うような表現に違和感を覚える」とも強調した。
報道機関の役割は正確で公正な情報の発信だとして「不確かな情報が社会に重大な影響を与えかねない際は、積極的に真偽検証に取り組んでいる」と説明した。
今後の議論については「報道機関への法的規制につながるようなことがあれば、国民の知る権利が毀損されかねない」と主張し、慎重な検討を要請した。