【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は19日の演説で、同国軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃により約1250平方キロの地域と計92集落を制圧したと述べた。多くのロシア兵を捕虜にしたことはウクライナ捕虜との交換につながる「重要な成果」だと指摘し、作戦を続ける意向を示した。
ウクライナ北東部スムイ州と接するクルスク州の国境地帯からロシア軍の存在をほぼ排除したとし「戦術上の目的の一つだった」と表明した。
バイデン米政権は、ロシア領内への攻撃に米国供与の武器を用いることを、米ロの緊張を激化させる「レッドライン」(越えてはならない一線)としてきたが、ゼレンスキー氏は、越境攻撃の成功によって「レッドラインという考え方は崩れた」と訴えた。ロシアのミサイルや誘導滑空爆弾の攻撃を防ぐため、欧米が供与した武器でのロシア領内への長距離攻撃を認めるよう支援国に求めた。
一方、ロシア軍は侵攻するウクライナ東部ドネツク州で攻勢を強めており、ロシア国防省は20日、同州ニューヨークを制圧したと発表した。