文部科学省は、公立学校教員給与に残業代の代わりに上乗せ支給している「教職調整額」について、現在の月給4%相当から3倍超となる13%に増額する案をまとめた。業務の負担軽減に向け小学校の教科担任を2160人拡充するなど、教員確保策の全容が判明。こうした費用を、2025年度予算の概算要求に義務教育費国庫負担金として計1兆5807億円計上する。関係者への取材で21日、分かった。財務省との折衝が難航し曲折することも予想される。
文科省は、教員給与特別措置法(給特法)の改正案を、来年の通常国会に提出。成立後、自治体が条例を改正し、教職調整額の増額は26年からとなる。引き上げられれば1972年の施行以来、約50年ぶり。
教職調整額を巡っては、繁忙化する教員の勤務実態に見合っていないとの声が強まっていた。また、管理職に残業時間を抑制する動機が働きにくく長時間労働の温床になっているとして、制度自体の撤廃を求める声もある。
教員の処遇改善策では、学級担任の手当を月額3千円加算し、管理職手当も月額5千~1万円増やす。