【キーウ共同】ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2年半となった。ゼレンスキー大統領は同日の声明で「領土を奪った敵に必ず借りを返す」と述べ、ロシアに徹底抗戦する決意を示した。ただ市民には疲労感も漂い、和平交渉に向け領土割譲を容認する意見も出ている。政権は交渉も選択肢だとのシグナルを発するが、ロシア西部への越境攻撃が今月始まり、戦闘継続への支持も根強い。戦火がやむ見通しはない。
祖国防衛の戦いでウクライナの戦死者は3万人を超え、民間人も1万人以上が犠牲になった。24日はウクライナの独立記念日で、米外交当局がロシアによる攻撃が強化される危険性を警告する中、各地で市民らが犠牲者を弔った。
「空襲警報にももう慣れてしまった」。首都キーウ中心部にある戦没兵士の追悼スペースを訪れたオレナさん(28)が声を落とした。警報の度に娘(3)をなだめる不安な日々が続く。
和平条件で双方の隔たりは大きく、市民の間でタブー視されていたロシア支配地の割譲容認論が広がる。