【上海共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴い中国が日本産水産物を全面禁輸としてから1年。中国では高級日本食店が今も打撃を受けるなど逆風が続く。一方で中国産海産物の使用をアピールする日系の回転ずし大手は好調だ。中国人の訪日旅行客も増加しており、明暗が分かれている。
「この1年、高級すし店の複数の経営者から閉店の知らせを受けた」。上海市の高級日本食店の中国人経営者はため息をつく。ウニや伊勢エビなどの高級食材に頼ってきたすし店が、禁輸のあおりを最も受けたという。
日本食店が専門の日本人コンサルタントは「水産物の流通業者や日本酒販売店も倒産している」と明かす。