2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家野崎幸助さん＝当時（77）＝を殺害したとして起訴された元妻須藤早貴被告（28）が、別の男性から現金をだまし取ったとする詐欺罪の判決で和歌山地裁（福島恵子裁判長）は2日、懲役3年6月（求刑懲役4年6月）を言い渡した。
野崎さんに対する殺人と覚醒剤取締法違反（使用）の罪の審理は分離され、裁判員裁判の初公判が12日に開かれる予定。
判決理由で福島裁判長は、被告は当時美容専門学校に通いながらキャバクラに勤務し、客だった男性と知り合ったと説明。「美容器具を壊して弁償しないといけない」などとうそを言い、現金をだまし取ったと指摘した。
被告は公判で「金を受け取ったことは事実だが、私の体をもてあそぶために金を払った」などと主張。これに対し判決は、男性が好みの女性の関心を得たい気持ちがあったとしても、金品をだまし取る行為の違法性を軽く見ることはできないとした。
被告は、裁判長から「不服がある場合、控訴できる」と言われても表情を変えず、閉廷時に浅く一礼した。