看護師らが利用者の自宅などに行きケアする訪問看護で、医療保険適用型と介護保険適用型の2種類のうち、医療型の費用が過去10年間で5.4倍に増えたことが7日、分かった。介護型の2.3倍を大幅に上回っている。利用者数の増加が主な理由だが、1人当たりの費用も1.4倍に増え、押し上げ要因になっている。厚生労働省の統計を共同通信が分析した。
訪問看護を巡っては、医療保険が適用される精神科や難病・末期の人向け老人ホームで不正、過剰な診療報酬の請求が指摘されている。利益を目的にした一部の事業者による制度の乱用も費用増加の一因とみられる。財務省は医療財政の圧迫要因として問題視している。
厚労省の概算医療費データベースによると、訪問看護ステーションの医療保険適用の費用は今年2月の1カ月で約521億円。2014年2月は約97億円で、5.4倍に増えた。利用者数(今年2月で約53万人)が4倍近く増えたことに加え、1人当たりの平均額が月約7万2千円から約9万8千円に増えたことも影響している。